FIRENZE Ⅴ [★旅 イタリア★]
ちょっと間があきましたが、イタリアの記事に戻ります
今まで何度か写真で登場している
サンタマリアディフィオ-レ大聖堂 八角形の聖ジョバンニ洗礼堂 ジョットの鐘楼
キリスト教カトリックのフィレンツエ大司教座聖堂で街のシンボルでもある大きな存在です
大聖堂はピサやシエナの大聖堂建設に触発されて
1296年にカンビオの設計で始まり 後にこれを鐘楼も作成したジョットが受け継ぎ 140年以上の時を経て完成
二重構造の大円蓋を持つゴシック様式最大の聖堂は
当時の自由都市フィレンツエの経済的繁栄と
芸術、技術的水準の高さを示すものだということに納得させられます
<サンジョバンニ洗礼堂 東扉>
八角形の洗礼堂にある3つの扉の内、これは大聖堂に面した東側にあるもの
ミケランジェロが天国の扉と名付けた扉で 中央の取っての人物が作者のギベルティです
彼はこれより先に洗礼堂北門の扉も作成しています
1401年、当時 フィレンツエはペストの流行,飢饉、下級労働者のクーデターや、銀行の倒産など
かつての輝きが薄れた時期で
その打開策として当事勢力が大きかったラシャ業組合主催の北門の作成者決定のコンクールが開催され
ギベルティーがブルネルスキとともに最終選考に残り、最終的に彼が製作することになりました
<その北門コンテストで敗れたブルネルスキが設計を担当した 大聖堂クーポラの模型 ドウモ博物館 >
コンクールで担当者を決めるという自由な空気とともに
この時期の芸術家は彫刻、建築、絵とオールマイティーなことには驚かされます
<ピエタ ミケランジェロ ドウモ博物館>
有名なローマ サンピエトロ寺院にあるピエタのほかにミケランジェロが作成した4つのピエタのうちの一つ
未完のピエタと言われ ミケランジェロが自身の墓に置く目的で作られたともいわれるそうです
ローマ サンピエトロ寺院にあるピエタはマリアが一人でイエスを支えておりましたが、こちらは3人
比べるのも興味深いです
<ドナテッロ マグラダのマリア ドウモ博物館>
<ウフィッツイー回廊にある彫像>
ドナテッロは大聖堂クーポラ設計のブルネルスキと友人関係にあり
前述のサンタクローチェ教会にあるイエスの十字架は彼の作で
それをブルネルスキは田舎のキリストと評したそうです
一方これに刺激を受けて後に作成したブルネルスキの十字架はサンタマリアノッベラ教会にあり
ドナテッロはそれを見てその素晴らしさに驚嘆したとのこと
芸術家同士の切磋琢磨の関係も垣間見られる話です
左ドナテッロ 右ブルネルスキ
<聖歌隊席一部 ルカデラロッビア ドウモ博物館>
子供一人一人に表情があり飛び出してきそうな感じ・・・
<いるかを持った少年 ベロッキオ ベッキオ宮殿中庭(本物は併設美術館3F)>
(奥に見えるのはベントチェリー二 メドゥサの首を持つペルセウス)
ベロッキオはレオナルドダヴィンチの師匠で レオナルドをモデルにしたダヴィデ像も作成 バルジェロ博物館蔵
やはり万能でウフィッイーにある絵画 キリストの洗礼をレオナルドと共作していますが、弟子の絵の才能に驚き
後には絵筆はもたなかったという話も伝わる人物です
<聖ルカ像 ジャンボローニャ オールサンミケーレ教会>
<聖ヨハネ像 ギベルティ オールサンミケーレ教会>
<ダヴィデ像 ミケランジェロ >
シニョーリア広場にあるこれはレプリカ 本物はアカデミア美術館にあります
本物を前にすると言葉がないですが、人気の美術館で大混雑なので今回は割愛
<サビニ女の略奪 ジャンボローニャ シニョーリア広場ロッジャ>
ジャンボローニャは前の記事で登場した幸運のこぶた像の作者の師匠
このほか、今回特に感銘を受けたのは撮影ができなかった以下の2つでした
<フィリッポリッピ(ボッティチェリの師匠) 聖母子と天使 ウフィツイー美術館>
<三位一体 マサッチョ サンタマリアノッべラ教会>
型にはまリ、装飾的で真実からかけ離れ、比例を欠く表現の中世美術を否定し
自然をありのままに生きている様に把握し、抑圧されていた人間性を開放したといわれるルネサンス
宗教を題材としながらも平板だった人間の表現がより生き生きとなされ
透明感が印象に残った聖母子と天使
まるで彫刻を見るかのような奥行き感、立体感が素晴らしかった三位一体
人間らしさの表現、遠近法など・・・ルネサンスが少しわかった気がした2枚でした
ウフィツィーでは部屋が幾分明るくなったように感じた10,14室で
ボッティチェリのあの有名な絵が変わらぬ人気を博しておりました
暑さで体力が奪われ思うように行動できず
イサクの犠牲を題材にした洗礼堂北門コンクール作品等を見ることを断念したバルジェッロ博物館
ルネサンスの基本となったという画家、マサッチョのフレスコ画が多く残るカルミネ教会ブランカッチ礼拝堂には
今回はウフィツイーをとばしても行っておけばよかったなというのが・・・心残りですが・・・
ここは芸術作品が多すぎてそのためだけにゆっくりしないとだめなところだと改めて感じました
まだまだ素晴らしい作品がいっぱいなのですが、
写真に撮れた物のなかで なんとか見られそうなものを中心にご紹介させてただきました
再訪を願って・・・
2012-11-04 23:10
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